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心に火を灯すとは

prologue

私の好きなこと

心に火を灯す。

これが、私の「好きなこと」であり、私が人の悩みに向き合うことを生業にしようと考えた原点の想いです。

これまでの人生では、「やるべきこと」や「求められたこと」を一心不乱にやってきました。
その結果、若いうちから、本当に多くの得難い経験をさせてもらうことができました。

人生の前半戦はそれなりに濃い人生だったと自負しています。

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心に火を灯すとは

でも人生の後半戦は「濃い人生」より「自分らしい人生」を歩みたいと思いました。
だから、自分の好きなことをやろう。そのように決めました。

「世のため人のためになること」でも、「需要があること」でもなく、「好きなこと」をやりたい。
ただ、それだけです。

ですが幸せなことに、私の好きなことを必要としてくれる人がたくさんいることに気がつきました。

だから、この好きなことを仕事にしよう。
そのように決めました。

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心に火を灯すとは

episode 01

「心に火が灯っている」とは

「心に火が灯っている」とは一体どういう状態のことを指すのか。
このことについて、私の考えをお伝えしたいと思います。

勇往邁進(ゆうおうまいしん)。

皆さんはこの言葉をご存知でしょうか。

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心に火を灯すとは

勇往邁進とは、
「目標や目的に向かって、困難を恐れることなく、勇んで前進すること」
という意味で使われます。

「勇往」とは勇んで前進すること、「邁進」とは気後れすることなく一心に進むことを意味しており、

同じ意味を重ねることで「意気盛んに進むさま」を強調した四字熟語です。

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心に火を灯すとは

目標に向かって突き進むという意味において、
「勇往邁進」と似ている言葉に
「猪突猛進」があります。

この「猪突猛進」が
周囲の状況を考えずに突き進むという、
少しネガティブな意味で使われることがあるのに対し、

「勇往邁進」は
一生懸命に目的に向かって励んでいる様子を表す言葉で、
ポジティブな意味で使われます。

そしてこの「勇往邁進」という言葉に、
「心に火が灯っているとはどういう状態なのか」
を考える上でのヒントが詰まっていました。

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心に火を灯すとは

episode 02

「心に火を灯す」は人の為ならず

これまで、私は「心に火を灯す」という言葉と向き合い続け、
多くの「心に火が灯っている人」と「心に火が灯っていない人」の違いを洞察してきました。

またキャリアを積み重ねていく中で、幸いにもたくさんの仲間や同僚、
部下を持つ立場に恵まれたことから、「誰かの心に火を灯す」ことを求められる場に
臨むことも多くありました。

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心に火を灯すとは

そして、不思議なことに、「心に火が灯った人」が、成長していく姿を見ることで、
私の心の火が、より大きくなるという経験をしました。

「心に火を灯す」は人の為ならず。

情けは人の為ならず、という言葉のように、人の心に火を灯すことが、
巡り巡って自分の心にも火を灯す。

「心に火を灯す」ことの奥深さを学びました。

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心に火を灯すとは

こうして手探りながら「心に火を灯す」の実践を繰り返していくうちに、
私は「心に火を灯す」ことがすっかり「好き」になってしまいました。

どんなに忙しくても、どんなに疲れていても、
「心に火を灯す」ことだけはやめられない。
そんな感覚です。

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心に火を灯すとは

episode 03

「心に火が灯っている人」の共通点

繰り返しになりますが、勇往邁進とは、
「目標や目的に向かって、困難を恐れることなく、勇んで前進すること」です。

この文章は、大きく2つの要素に分解できます。

①目標や目的
②困難を恐れずに、勇んで前進する

あなたは、このどちらがより大切な要素だと思いますか?

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心に火を灯すとは

「勇往邁進」という漢字からして、
②を選ぶ人のほうが多いかもしれません。
でも私は、
①の「目標や目的」のほうが大切な要素だと思いました。

なぜなら「目標や目的」がなければ、
そもそも「前進する」という「行動」も、
その行動に伴う「困難を恐れずに」や「勇んで」という
「姿勢」にも出番がないからです。

そして、この「目標や目的を持っている」ということこそが、
心に火が灯っている人の共通点だと、
私は考えました。

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心に火を灯すとは

episode 04

そこに山があるか

目標や目的を持つことの大切さをより深く理解してもらうために、
このことを私はよく「山登り」にたとえて説明しています。

目標や目的→山
前進する→登る
と置き換えて考えてみてください。

そうすると、「目標や目的に向かって前進する」は、「山に登る」と読み換えることができます。

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心に火を灯すとは

ここで、これまでお話ししてきたことを整理すると、次のようになります。

心に火が灯っている人とは、勇往邁進している人。
勇往邁進している人とは、目標や目的に向かって前進している人。
目標や目的に向かって前進している人とは、山に登っている人。

つまり、「心に火が灯っている人」とは、「山に登っている人」と言えます。

ここで考えていただきたいのが「山」の存在です。もし、山がなければどうなりますか。

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心に火を灯すとは

そうです。登れません。

当たり前のことですが、山がなければ人は登れません。
それは、「心に火が灯らない」ということを意味します。

そこに「山」があるか。
そこに「目標や目的」があるか。

目標や目的を持つことの大切さをご理解いただけたでしょうか。

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心に火を灯すとは

episode 05

まず、登る山を決める

「心に火が灯っている人」と「心に火が灯っていない人」の差は、
決してその人の能力の差ではありません。

登る山を決めて、その山に登っているかどうか。
それだけなのです。

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心に火を灯すとは

ただし、誤解をしないでください。

登る山は、いきなりエベレストでなくてもいいのです。
富士山も、近所の山も、公園の砂場でつくった山も、すべて立派な山です。
心に火を灯す上で大切なことは、「山の高低」ではなく、「山に登ること」です。

また、登る山は「登りたい山」とは限りません。
「登るべき山」を登ることも、立派な「山登り」です。

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心に火を灯すとは

そういった山登りを何度も何度も繰り返しているうちに、
「登るべき山」ではなく、「登りたい山」に巡り合う。

その登りたいと思える山の中から、「人生をかけて登りたい」と思える山を選ぶ。
それを私たちは「志」と呼ぶのではないでしょうか。
そして、「志」という名の山に登っている人は、「心の火が消えない人」なのだと思います。

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心に火を灯すとは

episode 06

悩みに一緒に向き合い、
「登る山」を一緒に見つける

ここまでの話から、「自分で自分の心に火を灯すことができる人」は、
「自分で登る山を見つけることができる人」ということになります。

でも私は、そのようなことができる人は圧倒的少数だと思うのです。
私も含め、多くの方は、いつも自分で山を見つけることができる、というわけではありません。

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心に火を灯すとは

人生では、山を見つけられない時が、誰にでもある。
心の火が消えている時が、誰にでもある。

そして、それが「悩んでいる時」だと私は思ったのです。

「心に火を灯す」こととは、
相手のモチベーションが上がるように、
何かいいアドバイスをしてあげること。
または、相手の悩みを解決してあげること。

ある時まではそのように考えていました。

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心に火を灯すとは

でも「心に火が灯る現場」に何度も臨んでいるうちに、
それは「心に火を灯す」ことの一部でしかない
ということに気がつきました。

「心に火を灯す」うえで、最も大切なこと。

それは、その人が抱える悩みに一緒に向き合い、
「登る山」を一緒に見つけることです。

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心に火を灯すとは

episode 07

ティーチングでもなく、
コーチングでもなく、トーチング

暗闇で山が見えなければ、「登る山」を見つけることはできない。
「登る山」を見つけることができなければ、山に登れない。
だから「悩み」という名の暗闇の中にいる人に、「松明」を手渡し、周囲を明るく照らして、
一緒になってその人が「登る山」を見つける。

これが「心に火を灯す」ことの出発点であり、最も大切なことだと思うのです。

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心に火を灯すとは

ただし、その人が無事に「登る山」を見つけることができ、いざ山に登り始めたとしても、
山の途中で道に迷ったり、急な悪天候に襲われたりして、
目の前が真っ暗になることもあると思います。

悩みは尽きません。
そんな時にも、そっと目の前を明るく照らしてくれる「松明」が手元にあれば、
勇気を持って前進することができるかもしれません。

山を見つけるための「松明」。
山に登るための「松明」。
それは、悩みに向き合い、心に火を灯すための「松明」です。

松明は英語でtorch(トーチ)と訳され、
torchには「松明の火で照らす」という動詞の意味もあります。

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心に火を灯すとは

だから「悩みの渦中にいる人に、『松明』を手渡すこと」を、
私は「トーチング(torching)」と呼ぶことにしたのです。

そして、
「教えること」に主眼を置いたティーチング(teaching)や、
「引き出すこと」に主眼を置いたコーチング(coaching)ではなく、
私は「心に火を灯すこと」に主眼を置いたトーチング(torching)をやっていきたい。

そう決意しました。
なぜなら、それが私の「好きなこと」であり、必要とされていることだからです。

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心に火を灯すとは

episode 08

心の火をつなぐ

オリンピックの聖火。それは、「消えてはならない火」です。

聖火は、ギリシャのオリンピア遺跡で、太陽を利用してトーチに採火され、
聖火ランナーによって世界中を巡って、オリンピック開催地まで届けられます。

そのトーチをバトンにして行われるリレーを聖火リレー、またはトーチリレーと呼びます。

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心に火を灯すとは

同じく、「消えてはならない火」があります。それは心の火です。

ある人に手渡した「松明」が、その人の心に火を灯し、
その人がまた違う誰かに「松明」を手渡し、その誰かの心に火を灯す。

この「松明」をバトンにして行われる「心の聖火リレー」を国を越えて、時代を越えて、つないでいきたい。

これが当社の社名「トーチリレー」に込めた、私たちの想いです。

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心に火を灯すとは

epilogue

いま、あなたの心に火は灯っていますか?

いま、登る山は見えていますか。

いま、山道で迷っていませんか。

いま、あなたの心に火は灯っていますか?

心の聖火リレーを一緒に走ってくださる「トーチランナー」とも呼べる同志の方が
一人でも多く増えてくださることを願っています。

皆さんの心に火を。